メタン発酵について

弊社は、地域における資源循環の実現を目指し、再生可能エネルギーや有機性資源の有効活用に関する多様なコンサルティングを行ってきました。中でも「メタン発酵」は、廃棄物をエネルギーへと変換する重要な技術のひとつとして、当社が力を入れている分野です。自治体や民間事業者と連携しながら、調査・計画立案・導入支援まで一貫したサポートを提供しています。
現場での知見を踏まえ、Fermentoでは単なる技術提案にとどまらず、地域資源の性質や制度との整合性、継続可能性を見据えた包括的なプランニングを重視しています。
ここではメタン発酵技術について、基本的な仕組みや役割をご紹介いたします。

メタン発酵とは

メタン発酵とは、簡単に言うと廃棄物を利用してエネルギーと肥料が作れるしくみです。
生ごみや、畜産系の廃棄物、し尿などの「有機性廃棄物」をメタン菌が分解することで「バイオガス」が発生します。バイオガスは可燃性のガスである「メタンガス」を60%程度含んでいます。発酵が終わった後の残渣は、肥料として利用が可能です。

有機性廃棄物をメタン菌が分解します

メタンガスの活用方法

バイオガスはそのまま燃料としても使えるので、発電機の燃料として発電利用されているのが一般的です。また、ボイラー燃料としても利用されています。さらに主成分のメタンガスだけを取り出すこと(精製といいます)で、都市ガスの代替として利用可能であり、天然ガス自動車の燃料などにも利用できます。

メタン発酵のメリットと注意点

メタン発酵システムでは、水分が多く燃えにくい生ゴミなどを、可燃ごみとして燃やすよりも効率的に(省エネルギーで)処理できるメリットがあります。
ただし、発酵残渣を肥料として利用できない場合(近隣に農地がないなど)は、排水として浄化処理する必要があり、この工程にエネルギーとコストがかかります。

設計上の工夫と技術的な課題

処理不適物の除去方法や、原料それぞれの性状(成分、pH、含水率、形状などなど)にあった処理が必要となるため、メタン発酵設備の設計には様々な工夫が必要です。

関連法規と事業化の注意点

また、産業廃棄物、一般廃棄物それぞれに関連する法規が数多くありますので、事業の開始にあたっては関連法規の確認も必要となります。