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培養肉

研究費の公募要領を確認していたら、ある募集課題のテーマとして『将来の環境変化に対応する革新的な食料生産技術の創出』というのが目につきました。
その例として『培養肉』や、魚で魚を育てる(小魚をエサにして大型魚を育てる)『養殖』方法を変える研究などが挙げられていました。

『培養肉』・・どうでしょう?できれば食べたくないな~って感じですが、調べてみると日本にもすでにいくつかプロジェクトがあるようで、海外ではすでにハンバーガーとして試食会も開かれていたりするようです。ヴェジタリアンや環境団体(の一部、でしょうね)からは、「命を奪わない」事から賛成も多いとか・・。

現在の畜産や水産業の肥育や養殖は、得られる畜肉・魚肉の数倍~10倍近い飼料が必要で、効率が低く、環境負荷が高いとのこと。
賛否あるでしょうが、
賛成:環境負荷を低減して、効率的な食糧生産が可能。今後の人口増社会に必要。
反対:安全性に不安。気持ちとして受け入れられない。
というところでしょうか。
すでに、ファーストフードやコンビニの隆盛、流通の発達で「どこで作られた何を食べているか分からない」ことは当たり前になりつつあり、この素地がある中で工場で培養された『培養肉』がいつの間にか社会に浸透していっても不思議ではないなぁと思いました。(まだ、経済的にも技術的にも量産可能なレベルには達していないのですが)
ただ、『それでいいのか?』という疑問は残ります。賛否両論を見たところ、経済的・環境的に利点が多く、あと安全性だけが担保できれば、残るは『気持ちの問題』だけ・・という事になりそうですが、本当にそうなんでしょうか。
個人的には、何でもかんでも科学技術のチカラでねじ伏せるような課題解決は後でどこかにしわ寄せがくるような気がします。ただ、そう考える自分が『古い人間』なのかなぁとも・・
ちなみに、この研究費は国立研究開発法人『科学技術振興機構』の未来社会創造事業の一つで、国費(税金)で研究費が出るものです。(他にもいろいろな分野の研究があるので、これだけではありませんが。気になる方は動画の説明をどうぞ。)

できれば『まだ来てほしくない』未来だと思う反面、国がこの研究分野を推進する世の中なのだなぁと、SFのような未来社会がすぐそばに近づいてきている妙な実感がありました。

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