先日、新聞に出ていた記事の見出しです。
『廃プラ、産廃も焼却要請へ 環境省、市区町村に 全体の8割占める』
中国が廃プラを輸入禁止とした影響で、事業系のプラごみがあふれかえっているから、自治体の焼却炉で燃やしてもらえないか・・と・・。
正直、ガッカリです。
きっと今までごみの分別に協力していた善良な市民の方々も「え、結局燃やすの?」って反応なのではないでしょうか。
中国が廃プラの輸入を禁止した、というニュースが出た時(2017年)から、どうするんだろうな~と思っていたのですが(行き詰まりは必至というのが業界の認識)、今まで手をこまねいて「不法投棄は今のところ無いようです」なんてノンビリしていた環境省。・・そうですか、自治体の焼却炉ですか・・確かに余力はあるでしょうけど・・そしてご丁寧に産廃を受け入れる自治体には財政支援まで。そしてこれは「緊急避難的」という言い訳。
なんというか、焼け石に水をかけながら(水をかけてるよ~とPRするのが環境省の役割)、焼け石の下の火には燃料をくべている。というのが日本の温暖化対策のような気がしてなりません。
同じお金を使うなら、排出削減につながる施策や規制をちゃんとやらないと根本的な問題解決にはならないと思います。ここまで浸透したプラを削減することは産業的な打撃もあるでしょうし、流通や生産設備まで含め影響が大きいことは想像できます。でも、それを動かす流れを民間事業者が作れるはずもなく、やっぱりそこは国が動かすべき、ではないでしょうか。ワンウェイのプラ容器やPETボトルに課税するなり、販売規制するなり、諸外国と同じような対策を考えるべきでしょう。もしくは、リターナブルやリユース容器、プラ代替製品(環境負荷の低い)などの普及に取り組む企業や製品、自治体に補助を出して、プラ製品と対等に渡り合えるように育てるのもありでしょう。
せめて、暫定処置として受け入れ要請をするにしても、何らかの具体的・抜本的な対策とあわせて進めていかないと、なし崩し的に「緊急避難」が常態化するのではないでしょうか。市がごみを受け入れてくれている限り、企業側にごみ削減のインセンティブは働かないし(ごみ処理価格にもよりますが、財政支援があるなら処理費用もそんなに高くはしないでしょう)、市役所も財政支援があるなら特に痛くも痒くもない・・
(でも、焼却炉の維持費も財政支援もすべて元をたどれば税金ですよ~)
ブログ更新が連続でボヤキ節になってしまいましたが、本当に、ガッカリなニュースでした。フェイクニュースだったらいいのになぁ。
≪補足≫
プラも燃料として燃やしてエネルギー回収というのも一つの手です。取り組みは環境省でも進めているのを知っています。ただ、全国に1200以上ある自治体の焼却炉のうちの多くは、古い・小さい・エネルギー回収をしていない施設ですので、なかなかゴミエネルギーをフル活用することは難しいのが現状です。
やはり、なるべくごみは出さず、(ついでに、生ごみとし尿はメタンで)、焼却は最小化していくのが理想かと・・