新型コロナウイルスの影響を受けて、タイでは「自家野菜を植える国民運動」というキャンペーンが実施されているそうです。
https://www.agrinews.co.jp/p51187.html
経済活動がパンデミックで停滞し、失業者が増えている・・というのはどこの国も直面している課題だと思います。が、そこでタイ政府はバンコク以外の76県で90日間のキャンペーンを展開。食糧自給や家計の足しにして、経済危機を乗り切ろう・・ということらしいです。
驚きなのは、その参加率。なんと、バンコク以外では94%の世帯がこのキャンペーンに参加しているとか。(キャンペーンは7月末までのようです)
前国王の「足るを知る経済」の哲学に基づいて考案されたキャンペーンだということですが、まず市長、村長みずからが野菜を栽培し、種を交換し、住民への栽培方法の指導もしてまわる・・苗や種の頒布などもあるそうです。
ステキですね~。考え方がいいですし、市長や村長がまず実践という所もいい。種やできた野菜を交換するというのもいい。そして参加率も高く、成果も上がっている(1年分に換算して日本円で約7000億円分の野菜を栽培したことになるとか!)。住居形態の違いや、気候の違いなど日本と異なる条件は色々と挙げられそうですが、そういうことではなく「日本じゃ考えられないな~」と思ってしまいました。
食べ物を育てることができる、という事は生きていく上での大きな安心感につながると思います。パンデミックで不安に陥ることが多い日々、食物生産に関わることで安心し、実益も得ることができる。費用対効果が高い、とてもいい政策だなぁと感心しました。そして、その政策が成功するのは政府や首長への信頼感や『農』への親しみが国民にあるからではないでしょうか。
日本でもホームセンターで苗の販売が伸びているそうです。一方で感染への危惧から都市部では個包装された工場野菜の売上も伸びているというニュースも目にしました。
水害(中国や、日本でもまた・・)、ウイルス、バッタの大量発生・・温暖化の実害が(ウイルスは直接的ではないでしょうが、深い相関がありそうです)止まらない昨今、小手先の対策ではもう如何ともしがたいところまで来ていると感じます。地に足の着いた、将来を見通した大きな流れができてほしいのですが・・